山形さくらんぼ・佐藤錦の4つの栽培方法と収穫時期

清川屋のさくらんぼには大きく2種類、さらにそれぞれ2種類の栽培方法があります。

  1. 1.ハウス栽培の「加温栽培」(~5月)
  2. 2.ハウス栽培の「無加温栽培」(6月上旬~中旬)
  3. 3.露地栽培の「露地栽培」(6月中旬~)
  4. 4.露地栽培の「テント栽培」(6月下旬~)

1.ハウス栽培の「加温栽培」(~5月)

ハウス栽培のさくらんぼはビニールハウスの中で育てられます。

「加温栽培」は室内を暖房であたためることで本来の旬よりも1ヶ月ほど早く収穫できます。

春先の山形は寒暖差が激しく氷点下近くまで気温が下がることもしばしば。寒暖差の大きい春先でも、暖房を使うことでハウスの中は一定のあたたかさが保たれています。

ハウス内には筒状のビニールが張り巡らされ、この中をあたたかい空気が流れることでハウス全体の室温を上げています。

主に母の日さくらんぼギフトなどご贈答用に育てられる「加温栽培」のさくらんぼ。

色づきよく育てる難しさと暖房用の燃料費などがかかるため、さくらんぼの中でも希少で高価な逸品です。

2.ハウス栽培の「無加温栽培」(6月上旬~中旬)

加温栽培と同じくビニールハウスの中で育てられますが、加温栽培のさくらんぼよりも1ヶ月ほど遅れて栽培が始まるため、暖房はあまり使わず、基本的にはハウス内の室温で育てるのが「無加温栽培」のさくらんぼの特徴です。

ほぼ暖房に頼らないとはいえ旬を早めるための温度管理は非常に大変なもの。

取り組む農家さんもごくわずかな難易度の高い栽培方法です。

旬のさくらんぼと比べると少し高価ですが、旬よりも早い6月上旬~中旬に収穫できるので清川屋では父の日さくらんぼギフトとして人気があります。

3.露地栽培の「露地栽培」(6月中旬~)

露地栽培は屋外で栽培されるもので、さくらんぼの一番の旬である6月中旬~7月初旬に収穫時期を迎えます。

そのなかでもハウスやテントなどを使わずまったくの野外で育てられる「露地栽培」は昔ながらの自然な栽培方法です。

日差しを遮るものがないので樹に直接日光が当たるため、天気に恵まれればテント栽培より生育が早く実の大きいさくらんぼが収穫されるのが特徴です。

ただし、良くも悪くも”お天気次第”の「露地栽培」。雨から実を守るものがないため、さくらんぼに雨粒が当たると実割れを起こしてしまうリスクがあります。

そのため、「露地栽培」のさくらんぼを育てている農家さんは天気予報にとても敏感です。

天候の良しあしによって品質や収穫量が大きく左右されるため、近年は天候の変化にも対応しやすいテント栽培がメインの農家さんがほとんどです。

4.露地栽培の「テント栽培」(6月下旬~)

「テント栽培」は梅雨入りを前に雨除けのビニールの屋根をかけて栽培する方法です。

さくらんぼの実が大きくなるまでは露地栽培と同様、屋外で屋根をかけずに育てますが、雨の予報が出始める5月末~6月初旬ごろ、樹の上に雨除けのビニールをかける作業を行います。

水にとても弱いさくらんぼ。特に雨粒は、成長期のさくらんぼの天敵です。

農家さんは高さ4mもある支柱に上り一棟一棟手作業でビニールをかけていきます。

雨除けのテントを張る作業は手間がかかるうえ、高所での作業なので危険も伴いますが、テントを張ることで、さくらんぼの実に雨が当たり実割れを起こすリスクが減るため、天候に左右されることなく収穫直前まで樹上で育てることが可能になります。

清川屋で旬の時期にお届けしているさくらんぼはほぼテント栽培のものです。旬のさくらんぼの中でもっとも美味しくご贈答にもふさわしいツヤと張りのあるさくらんぼに育ちます。

【まとめ】

「さくらんぼの旬は短い」と言われながら春から初夏までさくらんぼが楽しめる理由は、ハウス栽培の加温栽培→ハウス栽培の無加温栽培→露地栽培の露地栽培→露地栽培のテント栽培と農家さんが手間暇かけてさまざまな栽培方法で育てているからといえます。