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「桃」と聞いて思い浮かべるのは、福島・山梨・岡山などでしょうか?確かに、歴史的に見ても、生産量的にも全国的に名を馳せる桃の産地です。でも実は今、「隠れた名産地」としてじわじわ注目を集めているのが【山形県】なんです!

山形の桃、ここがすごい!
山形県は、山梨・福島・長野に次いで、桃の生産量で全国第4位を誇る名産地。昼夜の寒暖差が大きい内陸性気候が、果実にしっかりとした甘みと香りを与えます。さらに、収穫時期が7月から9月までと長く、他県の桃が終わる頃にも“旬”が続くのが特徴です。
全国的の生産量は減少・・でも山形の桃は成長中!
農林水産省の令和6年(2024年)統計によると、全国の桃の収穫量は約10万9,700トン。そのうち、山梨県がトップで約3万1,500トン(29%)、次いで福島県が約2万9,100トン(27.0%)、長野県が約1万1,400トン(10%)と続きます。
そして注目すべきは、山形県が1万300トン(9%)で全国第4位にランクインしていること。岡山県や和歌山県を上回る生産量を誇っているのです。

全国の桃の収穫量は低迷の傾向にあるのに対し、山形県の桃の収穫量はこの10年間で増加しており、作付面積も拡大傾向にあります。
なぜ今、山形の桃が選ばれるの?3つの理由
全国的に桃の収穫量が大きく成長していない理由には、気候変動による栽培リスクの増加や高齢化による担い手不足、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題が影響しています。そんな中で山形県が収穫量・作付面積ともに増加傾向を示している、理由とはなんでしょうか?

1:寒暖差のある気候が甘みを引き出す
全国的に温暖化が進む中、北限であった山形の気候が、桃にとっての適温になりつつあるのも一つの要因と言われています。また、昼夜の寒暖差が大きいため、果実に糖分がしっかり蓄積され、甘みの強い桃が育ちやすい特徴があります。

2:若手農家さんのがんばり・魅力発信の取り組み
フルーツ王国、として果物の生産に力を入れてきた山形県。近年は、若手農家さんの参入も増加しており、SNSを活用した桃の魅力発信や、収穫体験イベント、ギフト需要を意識したパッケージデザインなど、消費者との距離を縮める工夫をしています。光センサーによる糖度・硬度の選別を導入し、品質の安定化にも力を入れるなど、地道な取り組みが、山形の桃を「おいしいだけじゃない、選びたくなる果物」へと押し上げていると考えられます。

3:消費者ニーズの変化にマッチした“旬の後半戦
近年、消費者の間では「旬を長く楽しみたい」「他の人と違うものを選びたい」といったニーズが高まっています。全国的には7月~8月に最盛期を迎える桃が多い中、
山形の桃は8月〜9月にかけてが最盛期で、10月に収穫される品種もあり、他県の桃が市場から姿を消すタイミングに“主役”として登場します。
この“桃の空白期間”を埋める存在として、飲食店やギフト市場でも重宝されているのです。

上記は、清川屋での主な取扱いの桃を並べたカレンダー。改めて見ると、「こんなにあるの?」と驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。それぞれの品種の違い、時期ごとのおいしさの違いを感じていただけます。
〈まとめ〉隠れた名産地・山形の桃を味わってみて!
山梨や福島などと比べて、まだ“通好み”の印象があるかもしれませんが、山形の桃は確実にその地位を高めています♪今年の夏は、そんな“勢いのある桃”を味わってみてはいかがでしょうか?