
5月2日の山形県酒田市刈屋地区です。
刈屋梨の白い花、雪を頂いた鳥海山と青い空、清々しい季節の到来です。
昨夏の豪雨では大きな被害を受けた刈屋梨。
今年は無事に実りますようにと願ってやみません。
さて、この季節は山形の果樹が一斉に花開くとき。花が咲く=農家さんにとってとても重要な時期の到来です。今回は鶴岡市の荒屋梨の畑に取材に行ってきたのでご紹介いたします!
4月25日:井上さんのあらや梨は8分咲き

山形県庄内地方には知る人ぞ知る梨の名産地が二つあります。一つが酒田市刈屋地区の刈屋梨、そしてもう一つが鶴岡市荒屋地区のあらや梨。
井上さんのあらや梨畑の梨の花は8分咲きでした。約40年前に「刈屋と荒屋地区は土壌的に似てるからいい梨が採れるのでは?」とおじいさんが荒屋地区で栽培を始めたのがきっかけだそう。その読み、的中しましたね!
さて、花が咲いたら大切なのは受粉作業です。取材にいった日は良い天気で暖かく、ミツバチもたくさん巣箱から出て飛び回っていたのですが・・・なぜか梨の花にとまらず、どこかへ飛び去ってしまいます。

井上さん曰く「梨の花より河川敷にはえている菜の花の花粉の方が美味しくてそっちにいってしまう」のだそう。その習性を逆手にとって菜の花を樹の下に植えたりする梨農家さんもいるのだとか。
ミツバチの足についている花粉の色が濃いのは菜の花の花粉、色が薄いのは梨の花の花粉なのだそうで確かに濃い色の花粉がちらほら見受けられました。

良い実が収穫できるよう、同時に人工授粉も行います。梨の花を収獲し、おしべを割って花粉を採ります。(ちなみに自然界でも開花後しばらくするとおしべが成熟して赤いところが割れ、花粉が飛び散る仕組みになっています。今回ミツバチがあまり花にとまらなかったのは、梨の花粉がまだ十分に成熟しておらずおしべが割れていないので、まだにおいが薄いこともあるかも。とのこと。)
採取した花粉に目印用の染色をし、でっかい耳かきみたいな綿のポンポンがついてる棒につけてめしべにつけていく。井上さんはだいたい同じ樹に日を置いて2度ほど人工受粉をおこなうそうです。

1本の木に花が数千と咲くのですが、実は一枝に5個程度しか生らせないそう。(まず花を摘む摘花を行い、その後実を摘む摘果で調整します。)
梨の品種によって実のつきやすさも異なるようで実験的に色々試しているそうなのですが、その結果は1年1度、収獲するまで分からない。どうか成功しますように!
これからも生育状況を随時お知らせさせていただきますので、清川屋のブログ&SNSを今後も是非チェックしてください♪