全国にはたくさんのご当地おにぎりがありますが、庄内地方にも珍しいご当地おにぎりが存在します。それが「弁慶(べんけい)めし」。
今回はそんな知る人ぞ知る郷土料理「弁慶めし」にフォーカス!あなたもきっと食べてみたくなるはずですよ☺

食べると力が湧いてくる!「弁慶めし」とは?
「弁慶めし」とは、庄内地方に古くから伝わる郷土料理。
丸く大きく握った味噌おにぎりに、山形特産の漬物である青菜漬(せいさいづけ)を巻いた“ご当地おにぎり”です。
名前の由来は諸説あり。
大きく握ったおにぎりが武蔵坊弁慶のこぶしを思わせるから、とか、青菜漬けでおにぎりを巻いた様子が袈裟で顔を覆い隠した弁慶の姿に似ているから、とか――。
いろんな謂れがありますが、丸くて大きくて、どこか無骨なおにぎりは確かに武蔵坊弁慶のイメージと重なりますよね。
ちなみに酒田市では青菜漬を巻かない味噌おにぎりのことを「弁慶めし」と呼ぶこともあるそうです。地域によって違いがあるんですね!

清川屋スタッフが語る「弁慶めし」

酒田駅店では庄内米を使ったおにぎりを販売しているんですが、弁慶めし(弁慶おにぎり)は人気商品のひとつ!
よくお客様から「中には何が入っているんですか?」と聞かれます(ちなみに具なしです)。
弁慶めしって他ではないのかな、珍しいみたいですね^^
このままでも美味しいですが、我が家では軽く焼いていただいています。

スタッフ佐藤
実家で食べていた弁慶めしは青菜漬を巻かない”味噌おにぎり”のようなものでした。青菜漬を巻いているものも見たことはありましたが、「包むのもあるんだな」くらいの認識。鶴岡と酒田で違うことに大人になってから気づきました。隣町なのに食文化が違うのは面白いですよね。
一般的に焼きおにぎりといえば醤油味でしょうが、やはり味噌味(=弁慶めし)のほうが馴染みがあります。ちょっと焼き目をつけていただくのですが香ばしくて美味しいんです!

スタッフ志賀
私も妹も弁慶めしは大葉で巻いていました。が、実家にリサーチしたら、母から”へら菜”と!
祖母が自分で漬けていたようです。(入手先は不明)
大葉でもへら菜でも、味噌が主張していて、焼きたてが熱かったという記憶が蘇ります。
“へら菜”とはしゃくし菜のこと。チンゲンサイの仲間で、葉身と葉柄の形が杓子のようになることからその名がついたとされています。青菜と同じくしっかりと包めることから弁慶めしに使うご家庭もあるようですね。

味噌おにぎりのままか/何か巻くか、巻くのは青菜漬か/それ以外か――と、地域や各家庭ごとに意外とバリエーションのある弁慶めしですが、素朴な美味しさが自慢の庄内のソウルフードなんですよ!
意外と簡単!絶品「弁慶めし」のつくりかた
そんな庄内のご当地おにぎり「弁慶めし」。
材料さえ揃えばとっても簡単につくることができます!今回は味噌おにぎりを青菜漬で巻く、スタンダードな弁慶めしの作り方をご紹介いたします^^
「弁慶めし」の作り方(2人分・計4個)
材料
- ごはん:2合
- 青菜漬:1袋(230g)
- 味噌 :大さじ2
※甘めが好きな方は、さらにみりん小さじ1を混ぜてください。

手順
- ごはんを通常通りに炊き、丸いおにぎりを作る
- 青菜漬の葉を広げ、茎部分を切る
(茎はそのまま食べても、刻んでおにぎりの具にしてもOK!) - おにぎり全体に味噌を薄く塗る
フライパンやトースターで少し表面を焼くと香ばしさが増します - おにぎりに2で用意した青菜漬を巻く
もう一度軽く表面を焼いたらできあがり!
※写真付きで見たい方はレシピ記事も参考にしてください
>写真付きレシピを見る
弁慶めしを作るなら、お米は旨みの強い「つや姫」がおすすめです!
塩気のある味噌や漬物にも負けず、しっかりと味わいを支えてくれますよ。
基本的に具を入れずに握りますが、青菜漬の茎を刻んで加える方もいらっしゃるようです☺ また、味噌おにぎりの時点で少し炙り、さらに青菜漬で包んでからも軽く炙ると、香ばしさが際立ってより美味しくなるのでおすすめですよ!
庄内の人々が愛するご当地おにぎり「弁慶めし」。
大きな大きなおにぎりですが、食べるときはぜひ遠慮なく大きな口をあけてかぶりついてみてください!
青菜と味噌の塩気、そしてお米の旨味が一体となり、身体の奥から力が湧いてくるような、力強い美味しさを味わえること間違いなしです。
ぜひ一度召し上がってみてくださいね!