はじめての寒だら鍋(どんがら汁)の思い出

そんなにおいしいの・・?庄内人熱愛の「寒だら鍋」

こんにちは、清川屋の栗原です。
「冬はとにかく寒だら」「祭りもある(真冬に)」
「ダダミがやばい」「アブラワタは争奪戦」「岩のり最高」

そんな数々の噂が飛び交う「寒だら鍋」に初めて出会ったのは、20数年前。地吹雪で真っ白の1月のある日のことでした。
ふと立ち寄った産直市場の魚コーナーが、異様な光景に・・・。
丸々と太った、はち切れそうなお腹の、灰色っぽい、怖い顔つきの、口をあけた丸ごと1匹のお魚(50センチ前後くらい?!)が、これでもか!とその巨体を並べていたんです。これこそが、噂の寒だらでした。

丸ごとの寒だら。ちょっと迫力がありすぎませんか?
手前に並ぶのが、清川屋で販売中の寒だら鍋セットです。内臓もたっぷりですね~

産直市場で、さばいてある寒だらを意気揚々と購入したものの・・
まだ、スマートフォンもなかったので(2003年ごろ?)レシピを検索する、という手段もない頃。

購入した際にもらった、ちょっと湿ったしわしわのレシピの紙(手書きか、ワープロ風の文字だったような)を熟読・解読しつつ、こんな感じ?という勢いで作ったように記憶しています。

内臓たっぷりの鍋を作ったことがなかったので、

「これはいったい何の部位?」
「白子ってどうやって切れば?」
「どのタイミングで入れるの!?」

などと、あたふたしながら作った思い出が・・。

さっと茹でこぼして・・

作り方は、びっくりするくらいシンプル。

一度さっと茹でこぼして、お湯を沸かした鍋に切った身を入れて、
煮込んだら味噌と酒で味を調え、最後に白子・ネギ・豆腐をいれてひと煮立ちさせたら完成。

そして、具の内容もとてもシンプル!

鍋、というと、野菜やキノコなど色とりどりの具材を入れ込むイメージがあったので、野菜はネギだけ、だしも入れない!ということに驚きました。

(お好みで白菜など入れても、もちろんおいしいです)

〈コラム〉どんがら汁?寒だら汁?呼び方様々

寒だら鍋は、「寒だら汁」「どんがら汁」など、呼び方がさまざまです。「どんがら」の由来は、胴とガラ(アラ)を使うことから、どうがら、が変化して「どんがら」となった・・という説が有力とか。味わい深い言葉ですね。

ネギと白子を入れてひと煮立ちさせたら、もう完成!!

日本海ありがとう!旨味しみわたる、至福の味

正直、出来上がった鍋を見た時は、全体に白っぽくて「これだけでほんとにおいしいのだろうか」と不安でした。お皿に盛り付け、「岩のり(海のり)は絶対ね!」と聞いていたので、ガサガサと袋から出した岩のりを、とりあえず山盛りにのせて。

まずは汁だけをすすってみると

「・・・・・うわあ・・」

汁だけで、もう、わかりました。

その汁の中に含まれた、味わいと、コク。味噌と、鱈の旨味だけで十分すぎる深みを生み出しています。

この荒波を乗り越えたからこその、おいしさ・・・!

シンプルな素材たちが掛け合わされた時にうまれる、あのおいしさ。
ごくごく飲めてしまう、飲み終わった瞬間にまた飲みたくなる、あのおいしさ。

ああ、なるほどね。
これが、庄内人がこぞって愛する冬の鍋なのね。

納得でした。今でもあのときの感動は、わすれられません。

海のり(岩のり)た~っぷりがおすすめです!

次に、汁と一緒に海のりを食べてみると、コリコリとした歯ごたえと共に、ふわっと広がる磯の香り。汁の味わいと、もう合いすぎて・・このコンビネーション、誰が考えたんですかー!日本海、ありがとうー!と心で叫びました。

もう、具を食べないで、エンドレスで汁と海のりだけでもいいよ、と思うほど。
(実際今も、それだけで3杯は行ける気がします)

鱈の切り身を取り出してほおばると、その絶妙な身のやわらかさと旨味。
ホクホク感がたまりません。

ダダミ(白子)の新鮮さ、写真で伝わるでしょうか?

そして、噂のダダミ(白子)の、クリーミーなこと・・。
プチ、トロ~っと広がる、ゆたかな甘みは、まさに冬の贅沢!こんなに美味しいものを食べてもいいのかしら・・と感じるほど。新鮮なので、臭みもありません。

次に、いよいよ登場、噂のアブラワタ(肝)。

知人の話では、希少な部位なので、自分がよそわれたお椀の中にアブラワタが入っているか、で家族間で争奪戦が起こるとのこと・・。(あらかじめすりつぶして入れる食べ方もあるようです)

鍋の中を探して、これ?これがアブラワタ?と宝探し気分で食べたことを思い出します。名前のとおり、冬の日本海をかき分けて「脂」が最高にのった状態の鱈の肝。
濃厚~!海のフォアグラと称されるのにも、納得です!これは、争奪戦になりますね。
気づくと、炊き立てのご飯もそっちのけで、
必死に鍋をあさって、汁だけでお腹いっぱいになっておりました。

〈イベント情報〉極寒の中でアツアツの汁を!「日本海寒鱈まつり」

旬の時期に、出来立ての寒だら汁がふるまわれる、人気のお祭り。寒空の下で、湯気がもうもうと立つあったか汁を味わうのは、また格別なんです!

●2024年の開催情報●
・鶴岡市の「日本海寒鱈まつり」
1/21(日)10:30~15:00。会場は、鶴岡銀座商店街特設会場
(清川屋の実店舗「HOUSE清川屋」も近くにございます♪)

・酒田市の「酒田日本海寒鱈まつり」
1/28(日)10:00~16:00。酒田市中町など中心商店街

ぜひ、真冬の脂ののった寒だらの美味しさを、楽しんでください!

旬は真冬のこの時期だけ!新鮮な寒鱈をお届けします

この文章を書いているだけで、どんどん食べたくなってきてしまいました・・

清川屋では、このおいしさをぜひ全国の方に味わってもらいたい!と、寒だら鍋のセットをご紹介しており、長年、1月~2月のロングセラー人気商品として、ご愛顧いただいております。
食べやすく切り身にし、「海のり」もセットにしてありますので、あとはネギ・味噌・お豆腐などを準備していただければ、本場さながらの「寒だら鍋」を堪能いただけます。日本海の海の旨味たっぷりの味わい・・ 是非、一度堪能してみていただきたいです!

作り方はこちらからチェック!

「寒だら鍋(どんがら汁)」の作り方

一度は食べていただきたい、庄内冬のご当地鍋「寒だら鍋(寒だら汁/寒鱈汁/どんがら汁)」
鍋セットはどうやって作るのが正解?の声に応えてスタッフが実際に作ってみました。作り方動画もぜひご覧ください!


この記事で紹介した商品はこちら

寒だら鍋

1年で最も寒い時期に旬を迎える真鱈を山形では「寒だら」と呼び、頭から尻尾まで丸ごと使って作る「どんがら汁(寒だら鍋)」は庄内の郷土料理として親しまれています。
どんがら(アラ)・肝臓・白子の旨味を味噌仕立てで煮込み、海苔をたっぷり乗せれば日本海の恵みが体中に染み渡ります。

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