今年もまさかの○○○が… ~2025年さくらんぼ生育日記②~

前回のブログにて、さくらんぼの花が開花し始めました!というお知らせをしてから、早いもので約1ヶ月が経ちました。

ゴールデンウィークも挟まって、すっかり気温や気候状況も変わったこの1ヶ月の間にもさくらんぼは生育が進み、さくらんぼについて良い知らせも悪い知らせも現場から入ってくるようになりました。
今回は、4月下旬からのさくらんぼ畑の状況を振り返りつつ、生育状況を順を追ってご紹介いたします。最後にはさくらんぼの「今」の状況を、真摯にお伝えできれば幸いです。

4月22日:「紅秀峰」の花が満開でした。

4月22日にさくらんぼ専門バイヤー・後藤がさくらんぼの産地として有名な東根市の農家さんへ向かった際には、「紅秀峰」の花が満開を迎え、マメコバチが飛び回っていました。

さくらんぼの花が咲く4月~5月にかけての季節になると、農家さんはマメコバチやミツバチなどのハチの巣箱をさくらんぼ畑に数多くおきます。
これは「交配」といって、めしべの先に実を結ばせるために自分と違う品種の花の花粉をつける仕事をハチにしてもらっています。このころの天候がさくらんぼの生育に大きく影響します。

しかし、ハチは温度が高く、風のない日に活発に活動するので、満開時の天候が作柄に大きく影響し、もし寒かったり雨が降るとハチは飛びません。
今回のようにマメコバチが飛び回る中でも、農家さんは毛ばたきを用いた人工受粉作業を行っていました。
最近では、このように毛ばたき作業とダブルでおこなう農家さんがほとんどのようです。

また、さくらんぼは同品種では交配しないため、畑には主力の品種の木のほかに1~2割ほど別の品種の木(受粉木)が植えられています。
この日も同じ時期に満開をむかえている、「紅さやか」に毛ばたきを擦り付けて花粉をつけてからの「紅秀峰」に擦り付ける…という人工受粉の作業を、1本の樹に対して3回この作業を行うそうです。

5月5日:花びらも落ちて、緑色の果実が… 

「おお!和嶋くん。よぐきたな!」と、元気に迎えてくれた 伊藤さん

GW真っ最中の5月5日には清川屋スタッフ・和嶋が、清川屋とも長いお付き合いのさくらんぼの農家である伊藤さんのさくらんぼ畑にお邪魔しました。

伊藤さんのさくらんぼ畑もついこの間まで受粉作業を行っていたとのこと。
どうやらこの時期は朝晩が寒く、蜂の動きも鈍かったようで、雨の降る日もお構いなしに毛はたきを使って人工授粉作業を行っていました。
「本当は、蜂が受粉が上手くていいんだけど、蜂の動きが悪くて受粉しないと困るから、人手でやってるんだ」
と伊藤さんは語ってくれます。

そして、受粉を終えた花から、緑色の果実がちらほら見えるようになりました。
今はまだ花びらがついている状態ですが、
「もう1週間もすると、花びらも落ちて、緑色の果実がよく見えるようになるよ」
とのこと。

この時点では、花もたくさん咲いて受粉もしっかり行ったので、状態は良好。
ただ、開花後20日程たつと、さくらんぼの実になりきれないものは、実が自然と落ちる「生理落下」するため、
「収穫なるまで、油断できないからね」
と、まだまだ状況は予想できない状況を教えていただきました。

5月19日~23日:今年も○○○が……佐藤錦の収量は少なめのよう。

さくらんぼの実が着果し始めたその後には、実一つ一つに十分な栄養がいきわたるように小さい実を落とす「摘果作業」を行う他、さくらんぼの木の上に雨よけ用のテントをはったり、葉を摘んだりする作業も控えているさくらんぼ農家さん。
5月下旬に差し掛かった現在、さくらんぼの収穫時期については最近の気温上昇から平年よりやや早めに収穫が始まるかもしれないとのことでした。

そして、今年も去年と同じくさくらんぼの実が2つくっついて生育する「双子果」のさくらんぼが多くなることが予想されています。

双子果とは……

さくらんぼの実が2つくっついた状態で生育した状態を「双子果」と呼びます。
「双子果」のさくらんぼが出来る要因と一つとして、「前年の気温」が影響しているといわれており、実際昨年2024年は気温が30℃以上になる「真夏日」がとにかく長く続きました。
その様な暑い日が続くと花芽の生育が異常に早く、通常1本しかないはずの雌しべが2本になってしまったとのこと。この花が着果すると「双子果」になってしまうのです。

双子果が着果したもの
双子果のさくらんぼ
現在のさくらんぼの大きさ これから黄色→赤色に色づいていきます。

「摘果作業」の時点で双子果のさくらんぼが多いと、それだけで正規品のさくらんぼの収穫量は減ってしまうのですが……この度追い打ちをかけるように残念なお知らせが。

今週から山形の各地域のさくらんぼの生育状況の調査が始まっているのですが、佐藤錦のさくらんぼが収穫量が少なめと想定されました。
清川屋の契約農家さんも例外ではなく、各農家さんとさくらんぼ専門バイヤーが日々状況共有をして生育確認をしているところですが、佐藤錦に関してはおよそ農家さんが出荷可能な数量に到達する状況です。

よって、「佐藤錦のさくらんぼ」当初予定より早く受付終了をとなりそうです。
お求めのお客様は、お早めにお買い求めくださいませ。

規格外商品「双子果さくらんぼ」今年も販売決定!

数量限定の「双子果のさくらんぼ」を、ぜひ今のうちにご予約ください♪

上記で説明しました「双子果のさくらんぼ」は、本来であれば【規格外品】として廃棄されてしまうものでしたが、
昨年は、「せっかく実ったさくらんぼを廃棄するのはもったいない!」というお客様のお声を受け、農家さんから特別に仕入れさせていただき販売いたしました。

そんな「双子果さくらんぼ」を、今年も販売いたします。
ちょっぴりユニークな形状ですが、清川屋の契約農家さんが丹精込めて育てたさくらんぼを市場に出せる基準に選別した上で出荷いたします。
数量限定商品ですので、気になる方はぜひ今のうちに以下のページからご予約いただければ幸いです(*^^*)

また、佐藤錦の収量は少なめの見込みですが、「紅秀峰のさくらんぼ」はまだ承ることが可能です!
果肉がパリッと硬めで糖度が高く酸味が少ない紅秀峰は、「こんなに甘いさくらんぼ初めて食べた!」と驚かれる品種のさくらんぼです。
佐藤錦よりも大きく張りがあり日持ちするため、清川屋としてもギフト向けのさくらんぼとしてオススメしている品種でもあります。
「いつもさくらんぼは佐藤錦なんだけど……」
という方も、この機に是非、紅秀峰のさくらんぼをお試しください♪

今年も販売決定! 

双子果 さくらんぼ 規格外 1kg

通常廃棄してしまう双子果ですが、手間暇をかけ真剣に向き合ってきた農家さんたち、その想いを少しでも汲み取りたい…と数量限定で販売いたします。


この記事で紹介した商品はこちら

山形さくらんぼ 紅秀峰

パリッとした果肉、糖度が高く酸味が少ない、際立つ甘さが特徴の「紅秀峰(べにしゅうほう)」。佐藤錦より張りがあり日持ちがすると人気急上昇の紅秀峰を今年の清川屋ギフトさくらんぼ好適品種としてオススメいたします。

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