どうしてさくらんぼはこんなに高いの?

さくらんぼってどうしてこんなに高いの!?

時々こんな質問をいただくことがあります。
そうですよね、私も山形に来る前はそう思っていました(笑)
もちろん需要が高いからというのも一因ですが、意外とさくらんぼは作るのにお金がかかるのです。

さくらんぼが高い理由①人件費が高い

さくらんぼの樹、1本にだいたい5000~10000粒ぐらい実ります。
これを収穫するのは全部「人」なんです!
収穫だけでなく、実を大きくするためにこの何倍もの量の摘芽・摘果を行うのももちろん「人の手」です。
箱に入ったさくらんぼ、1キロで約100~170粒詰まっています。これを詰めるのも全部「人」です。

特に綺麗に並べられたさくらんぼは、収穫するのも詰めるのも年期や技術が必要で
昨今なかなか人手が集まりにくく、農家さんは毎年人手に悩まされています・・・。

さくらんぼが高い理由②暖房費が高い

さくらんぼは、梅雨時が収穫時期なのですが湿度に弱い果物です。
なので、農家さんは収穫時期が近付くと雨よけテントと呼ばれる巨大なビニールハウスを立てます。(正しくは、鉄骨部分はすでに建ててあり、時期が来ると鉄骨に沿ってビニールを貼る作業を行います)

このビニールハウスですが、私たちがよく見るハウスのおよそ倍近くの高さはあるかも…!(上記写真で男性スタッフの何倍もの高さであることが伝わるかと思います)

雨よけのテント(ビニールハウス)はいわゆる“傘”の役割。雨が降っていない時はしっかりと日光が当たるよう、透明度の高い綺麗なビニールを貼る必要があります。そのためにはお金(と労力)がかかりますよね。

また、早出しのさくらんぼ(ハウス加温栽培のさくらんぼ)は寒い時期に早く実をつけるよう、この中で暖房を焚いて温めて生育を促します。そのため燃料代や電気代がかかるのです。

さくらんぼが高い理由③リスクが高い

①人件費 ②暖房費 をクリアしても、楽に収穫できないのがさくらんぼ。
収穫直前に大雨や高温で一気に傷んでしまったり、鳥に食べられたり、受粉期が寒いと実が生らなかったり・・・
逆に豊作すぎて値下がりしたりと実際に売れるまで何が起こるか分かりません。
収獲するまでに何百万とお金をつぎ込んでいても、一晩で駄目になることもあるそうです😲非常にリスクが高いフルーツなのです…

さくらんぼは確かに安くはありません。
しかし値段が高くても、その分の費用や手間、労力などを考えてみると相応なのかもしれませんね。
さくらんぼ農家さん曰く、「果物の品質にこだわる方が増えたので、昔よりもずっと手間をかけないと売れないです」とのこと。
 
ちょっとシビアなお金事情でした。